
平成
ライブドア事件
2006年(平成18年)
2005
テキスト本文
2006年 (平成18) ライブドア事件
2002年(平成14)にプロ野球球団の買収計画を突然に発表して一躍「時代の寵児」となったライブドアは、創業者の堀江貴文(1972 ~ )が、大学在学中にアルバイトでプログラミングを行い、そこで知ったインターネットが「日本のインターネット元年」にあたり、 1996年(平成8)にベンチャー企業を創業したことに始まった。創業から間もない2000年(平成12)4月の売上高が2億5000万円の時、ベンチャー企業が多く上場する東証マザーズに上場したことで巨額の創業者利得を得て、一躍、億万長者となった。「ホリエモン」が愛称の若い東大卒の実業家は、IT企業(今のICT企業)の多くが本社を構える六本木ヒルズに拠点を構え、「ヒルズ族」は流行語となった。プロ野球球団の買収騒動は、同時期に名乗りをあげた他のIT企業(楽天)が買収して失敗、2005年(平成17)には、フジテレビの親会社のラジオ放送局(ニッポン放送)の株買い集めでマスコミを騒がしたが、株式はやがてテレビ会社側の買い戻しとなり一件落着し、放送局買収は失敗した。その直後の8月に郵政解散に伴う衆議院議員総選挙に自民党から担ぎ出されたが落選と、当人の知名度があがる一方で失敗の連続となった。選挙後は民間宇宙ビジネスに参入すると宣言したが、直後の2006年(平成18)1月14日、東京地検特捜部が虚偽の決算報告で株式の上場維持を図ったとして、証券取引法違反容疑で会社・代表者宅を強制捜査した。知名度が高く、短期の値幅取りを狙う個人投資家に人気銘柄だったライブドア株には売り注文が殺到、値段が付かない状態(ストップ安) となり、他にも不透明な企業があるのではとの不安から、新興企業の株式が相次ぎ急落、個人の損失拡大への警戒感から売りが売りを呼ぶパニックが拡がり、東京株式市場は売買システムが限界となり、取引終了20 分前に全銘柄の取引を停止した(ライブドアショック)。1 月23日には容疑者が逮捕されて東京拘置所に向かう自動車は、上空から追うマスコミのヘリコプターからライブ中継され、若いコンプライアンス(法令遵守)意識の薄い若者たちが不景気な世の中を賑わした騒ぎは一応の幕引きとなった。
年表
【2006年(平成18)年表】
・5月 在日米軍の再編合意
・7月、滋賀県に女性知事(嘉田由紀子)が就任
第1回東アジア男女共同参画担当大臣会合で開催
・9月、安倍内閣発足、女性閣僚2人(内閣府特命担当大臣)
・10月 認定こども園制度がスタート
この年、ジェンダー・ギャップ指数は115カ国中79位
《世界の動き》
・2006年、トリノ冬季五輪(2月)
・2006年、チリ初女性大統領、ジャマイカ初の女性首相(3月)
・2006年、胡錦濤国家主席が初の訪米(4月)
・2006年、韓国初の女性首相に韓明淑が就任(4月)
・2006年、モンテネグロがセルビアから独立宣言(6月)
・2006年、イスラエルがパレスチナのガザ地区侵攻(6月)
・2006年、ロシアでサンクトペテルブルクサミット(7月)
・2006年、中国初の米中海軍合同演習を実施(9月)
・2006年、タイで軍事クーデター(9月)
・2006年、安倍首相訪中、胡錦濤主席と戦略的互恵関係
構築で一致(10月)
・2006年、中国、北朝鮮核実験の国連安保理の非難決議
に加わる(10月)