平成

リーマンショック~2度目のデフレ宣言~

 
目次

2008年①(平成20年)

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積みあがる国の借金
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2008年①(平成20)リーマンショック〜2度目のデフレ宣言〜


1989年(平成元)に米ソの冷戦構造が終結し、1991年(平成3)にソビエト連邦が消滅してロシアが誕生すると、航空宇宙産業にいた旧ソビエトの科学者の多くが、アメリカの金融業界に高額報酬で転職することとなった。金融業界では、宇宙工学を転用した金融工学を用いた金融派生商品(デリバティブス)が数多く編み出されていて、「ハイリスク・ハイリターン」の商品のリスクを分散して「ローリスク・ハイリターン」の金融商品に変えて販売し、また、低金利の日本市場で円資金を借りて、アメリカの高金利の米国債に投資して5%程度の利ザヤを稼ぐ「円キャリー・トレード」も一般的な取引となっていた。ところが、リスクの高い低所得層やアメリカに来たばかりの移民層を対象に、一定期間は超低金利、期間経過後に金利がはねあがる「サブプライムローン」(信用度の低い所得層向けの住宅ローン)が問題となり、優遇期間を経過してローン返済ができない債務者が急増すると、懸念されていた問題が一気に表面化した。数多くの「サブプライム」を手掛ける投資銀行、数多くの「サブプライム」を購入している投資家層の双方に信用不安が増大した。そして2008年(平成20)9月15日に総資産60兆円の米大手投資銀行リーマン・ブラザーズが突然に経営破綻した。「TOO BIG TOO FAIL」(大きすぎてつぶせない)と市場参加者がタカ をくくっていた想定外の破綻劇に、「次はどこか」の疑心暗鬼が生じて、世界的な信用収縮がおこり、リーマンショックは「100年に1度」の経済危機となった。そのタイミングは、日本国内の政界で、福田康夫内閣の問責決議が可決されて総辞職してから2週間目にあたり、その直後の首班指名選挙で「ねじれ議会」を反映して、衆議院は自民党の麻生太郎総裁が、参議院では民主党の小沢一郎代表が、内閣総理大臣に指名され、両院協議会で合意にいたらず、憲法67条の規定により、第 92代内閣総理大臣に麻生太郎が指名されるという麻生内閣誕生のさなかで、9月29日には、ニューヨーク証券取引所で、史上最大の下げ幅(777ドル)を記録、10 月7日には日経平均株価は1万円を割り込み、その翌日にはさらに9.38%の下落と、1987年(昭和62)10月のブラックマンデー(14.9%安)・1953年3月のスター リン暴落(10%安)に次ぐ暴落を続けた。その後もさら に10%を超す記録的な暴落が2度連鎖的に起こり、株価は5年5か月ぶりに7000円台に落ち込み、バブル崩壊後の最安値を更新、為替市場では「円キャリー・トレー ド」の反対決済(円を購入して円で借金返済)に伴う円のパニック買い、さらにリスク回避の円買いも加わり、1カ月余りの短期間に円は20円近く急騰し、輸出を行う自動車産業・家電業界、さらには輸出代金の目減りなどと、実体経済もみるまに悪化し、黒字企業の資金繰り破綻、就職内定者の取り消しが相次いだ。各国の中央銀行が協調して危機からの脱出を図る異例の事態に追い込まれ、10月10日には震源地の米国・ワシントンで「リーマンショック」対策の初のG20サミットが開催され、金融危機への一致した対応が確認され、過去の歴史を教訓に「保守主義を拒否」と首脳宣言に明記された。10月28日、日経平均株価は一時的に6,994円まで下落し、1982年(昭和57)10月以来26年ぶりの記録的安値となった。11月12日に、政府は総額23兆円規模の緊急経済対策として、1人当たり12000円の定額給付金を越年資金として出すことを決定、日本銀行も政策金利を0.1%程度に抑え込むなど踏み込んだ措置を実施し、12月30日には、東京・日比谷公園には「派遣切り」でホームレスとなった人々のための「年越し派遣村」が開設された。翌2009年(平成21)4月にもロンドンでG20サミットが開催されて、各国の財政出動や金融規制・途上国支援で合意し、9月に米国ピッツバーグではG20サミットを定例化することが取り決められることとなった。11月になって政府は、バブル崩壊後の長期デフレから一度は抜け出しかけた日本経済の再度のデフレ経済入りを認め、「デフレ宣言」を行ったので、「失われた10年」をもじった新語「失われた20年」で野党・民主党は麻生首相を攻撃した。

年表

【2008年(平成20)】


・1月 改正改正DV防止法(保護命令制度の拡充)施行           

・3月 1ドルが100円突破(12年ぶり)

    社会保険庁、年金記録2025万件が特定困難

・4月  正社員と待遇格差是正を規定 した「改正

     パートタイム労働法」施行   

・5月「ふるさと納税」制度がスタート(地方税法等改正)  

・6月 東京・秋葉原で無差別殺傷事件

   ・国立女性教育会館の開設                    

    単身女性の2割が年収120万円        

・9月 福田首相が辞意を表明

   アメリカでリーマンショック、世界に波及

   麻生内閣発足、女性閣僚2人(内閣府特命担当)     

・10月 株価7162円(26年ぶり安値)

    政府が27兆円規模の経済対策発表

    ノーベル物理学賞(南部陽一郎・小林誠・益川敏秀)

    ノーベル化学賞(下村 脩)

・11月 国民1人に@12000円の定額給付金の支払い決定

・12月 日比谷公園に「年越し派遣村」

・日本のジェンダー・ギャップ指数130カ国中で98位


《世界の動き》


・2008年、台湾選挙で反中の民進党が敗北(1月)

・2008年、チベットのラサで当局が僧侶と衝突(3月)

・2008年、台湾の国民党の馬英九が台湾総統に選出(3月)

・2008年、ロシアメドベージェフ大統領当選(3月)

・2008年、胡錦濤国家主席が来日(5月)

・2008年、四川大地震(M8.0)発生、死者87,000人(5月)

・2008年、台湾予選尖閣沖で日本巡視艇と衝突(6月)

・2008年、日中、東シナ海の天然ガス共同開発で合意(6月)

・2008年、アメリカ発の「リーマンショック」(9月)

・2008年、北京オリンピック開催(8月)

・2008年、香港の立法機関選挙で親中派が多数派に(9月)

・2008年、民主党のオバマ大統領(初のアフリカ系ルーツ)

      が大統領選に当選(11月、就任は翌年1月)       

・2008年、タイで反政府のデモ隊が空港を占拠 (11月)

・2008年、初の日中韓サミットが福岡で開催(12月)

 
日本と世界
《G8サミット》北海道洞爺湖サミット(第34回)
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《G20サミット》ワシントン・サミット(第1回)
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《中国》第29回オリンピック・北京大会
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《中国》第29回オリンピック・北京大会
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時の政治
 
麻生太郎首相
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麻生太郎内閣の組閣
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女性史
 
国立女性教育会館の創設
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モルドバ初の女性首相の誕生
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ハイチ初の女性首相の誕生
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ノーベル賞4人受賞
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