
平成
民主党政権
2009年(平成21年)
1996年/平成8年
2011
テキスト本文
2009年 (平成21)民主党政権
2007年(平成19)の参議院選挙で、都市に集中する支持基盤を、地方にまで広げたい最大野党・民主党(1998〜2016)は、農家に広く補助金を出す「戸別所得補償制度」案を考案し、手ごたえを得た。翌2008年(平成20)に「リーマンショック」が起こり、多くの企業で派遣労働者切りが実施され、企業社宅に住んでいた多くの非正規労働者が住居を失うこととなった。東京の日比谷公園には、「年越し派遣村」が年末に開設され、炊き出しが行われる異例の年末となった。あくる2009年(平成21) 8月の第45回衆議院議員総選挙で、民主党は、「コンクリートから人へ」「国民生活重視」「脱官僚」「年金の持続性を高める」などを訴え、イギリスのマニュフェスト(選挙公約)選挙を日本でも初実践して選挙戦に臨んだ。選挙前の議席数は、自民党300議席に対して民主党は115議席だったのが、民主党が大躍進して308議席の大勝利をおさめ、自民党が181議席を失う「歴史的な政権交代」となった。9月16日に鳩山由紀夫内閣が発足し、10月26日には、鳩山首相が所信表明演説で、「国政の変革」を宣言した。3日後の10月29日 には、国民の厳しい目が向けられていた旧弊の役所ぐるみの退職官僚の天下りの斡旋、独立行政法人などへの再就職の禁止を閣議決定した。次には「埋蔵金さがし」と呼ばれた国の事業の無駄を徹底的に洗い出す 「事業仕分け」を国民に公開する形で開始した。従来の官僚主導の政治から、選挙で選ばれた政治家主導の政治への「国政の変革」のはずだったが、民主党政権の政治は、官僚・役人を「事務方」と呼び、時には敵対視する過度の「政治主導」が災いし、往々にして政治が空回りする事態を招来し、3年3カ月で国民の失望の中、再び自由民主党に政権を明け渡すこととなった。
年表
【2009年(平成21)年表】
・1月「改正国籍法」施行(出生後認知児童の
日本国籍取得可能に)
・3月 ソマリア沖海賊対策でPKO協力
・4月 子育て支援事業等を明確化した「改正児
童福祉法」施行、
・5月 裁判員制度がスタート
・8月 衆院選で女性54人が当選
・9月 鳩山内閣発足、女性閣僚2人
・10月 最高裁で商社の男女賃金格差は「違法」
・11月 政府の「事業仕分け」が始まる
・12月 政府調査「結婚しても必ずしも子どもをもつ
必要ない」に賛成が40%超
・日本のジェンダー・ギャップ指数134カ国中で101位
《世界の動き》
・2009年、アイスランド連立政権が経済危機で崩壊(1月)
・2009年、北京で新型インフルエンザ発生(1月)
・2009年、オバマ大統領が「核なき世界」の演説(4月)
・2009年、タイの反政府デモでアセアン会議混乱(4月)
・2009年、韓国の前大統領が自殺(5月)
・2009年、新彊ウイグル自治区で大規模暴動(7月)
・2009年、中台間に定期直行便の運行開始(8月)
・2009年、クリントン元大統領が米人記者2人拘束の北朝鮮
を訪問、金正日総書記と会談し、釈放(8月)
・2009年、鳩山首相が訪中(10月)
・2009年、中国で「独身の日」初ショッピングイベント(11月)
・2009年、ノーベル平和賞のオバマ米大統領が訪中(11月)